相続問題について専門家に相談したほうがよいケース
1 相続人の人数が不明である場合
相続が生じた場合、まず相続人の人数を確定させる必要があります。
しかし、法定相続人が複数おり、各相続人間で日常的に連絡を取り合っていないような場合、ご自身で相続人を把握することは難しい場合があります。
そのような場合、専門家に依頼をすることで、戸籍から相続人の範囲を調査することができます。
このように、相続人の数が不明である場合には、専門家に相談すべきといえます。
2 遺産の内容が不明である場合
相続人の数を確定させることのほか、遺産の内容も確定させる必要があります。
しかし、被相続人の財産については、相続人であっても把握できないことは多々あります。
預貯金や株式がある場合、残高証明書や取引履歴の明細書を取得することになります。
また、不動産がある場合には、名寄帳や登記事項証明書を取得することになります。
これらの書類は慣れてないと取得に時間を要することもありますので、スムーズな手続のためには、専門家に依頼して財産を調査するべきであるといえます。
3 相続人間で相続をめぐって対立が生じている場合
相続人や遺産の内容が確定したとしても、遺産の分け方等について相続人間で対立が生じて遺産分割協議が進まないケースがあります。
また、預貯金等について引出金がある場合には、引出金が遺産に入るかについて相続人間で意見が対立することがあります。
そのような場合、弁護士に依頼することで弁護士を介して相手方との交渉を進めることができますし、場合によっては調停や審判等の裁判をすることができます。
特に裁判を見据える場合、紛争の処理は、数ある専門家の中でも弁護士のみが行える業務ですので、相続人間での対立が生じている場合には弁護士に相談することが相続問題の解決につながることがあります。
4 相続税が課税される可能性がある場合
遺産が相続税の基礎控除額を超えるような場合には、遺産の分割の仕方次第によって相続税が変わる場合があります。
相続税の納税がかかわる場合には相続税に詳しい税理士に相談することをお勧めします。
また、遺産分割協議書や遺言の記載の仕方によっては、贈与税等の税金がかかってしまう場合もありますので、その記載の仕方には慎重になる必要があります。
相続税が課税される可能性がある場合には、税理士に依頼したほうがよいでしょう。